茅ヶ崎市矢畑の内科/糖尿病内科/代謝・内分泌内科

MENU

糖尿病内科

Diabetes medicine糖尿病内科について

糖尿病内科

国民の5人に1人以上が患者か、もしくは予備軍と言われている糖尿病。

主に肥満、運動不足、喫煙などの生活習慣を原因として、血糖値を調整するホルモンであるインスリンの作用不足がおこり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が上がる疾患です。

発症早期、軽症であれば基本的に無症状ですが、さらに悪化した場合には喉が渇く、トイレの回数が多い(多飲・多尿)やだるさ(倦怠感)などの症状が出現します。

長期にわたり治療を受けずに経過すると様々な臓器障害(糖尿病合併症)が進行し、神経・眼・腎臓や動脈硬化性疾患(狭心症・心筋梗塞や脳梗塞など)を引き起こします。

糖尿病の症状

  • とても喉が渇く
  • 頻尿(おしっこの回数が多い)、また量が多い
  • 食べても痩せていく
  • 太ってきた
  • 尿のにおいが気になる
  • 全身がだるく、疲れやすい
  • 足がむくむ
  • 肌がかさつく、かゆい
  • 足の指、足の裏がしびれる
  • 視力が落ちてきた
  • 立ち眩みがする
  • 火傷や怪我の痛みを感じない
  • 傷の治りが悪い

上記のような症状は、糖尿病が原因の可能性があります。

糖尿病の自覚症状には、高血糖によるものと、それに併発した合併症によるものがあります。また、症状がないからと言って、糖尿病がないと安心できません。症状は、糖尿病がかなり進行した段階で現れるからです。

糖尿病になりやすい方

  • 肥満である
  • 野菜や海草類をあまり食べない
  • 朝食を食べない
  • 食べ過ぎる
  • お酒をたくさん飲む
  • 清涼飲料水をよく飲む
  • 運動不足である
  • おやつを毎日食べる
  • 脂っこい食べ物が好き
  • 40歳以上である
  • ストレスがたまっている
  • 妊娠中に血糖値が高いと言われたことがある
  • 家族や親戚に糖尿病の人がいる

糖尿病の種類

1型糖尿病

インスリンを作る膵臓のβ細胞が、何らかの原因(ウイルス感染などがきっかけになり)で破壊されて、からだの中のインスリンの量が絶対的に不足して発症します。自分の免疫が自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫が関わっていると考えられていますが、はっきりとした原因は明らかになっていません。

インスリンは血液から細胞の中にブドウ糖を取り込み、血糖値を下げる働きを持っているため、インスリンの不足により、著明な高血糖を来します。

世界全体では糖尿病患者さんの約5%が1型糖尿病であり、人種差があります。日本人では比較的少なく1年間に10万人当たり約2人ほどが発症するとされています。小児など比較的若い方が多いですが、幅広い年齢の方が発症します。生活習慣が原因となっている2型糖尿病とは治療方法も異なり、生きていくためにインスリンの不足を補うため、インスリン注射での治療が必要となります。

2型糖尿病

遺伝でインスリンが出にくい体質を持つ、また運動不足や脂肪の過剰摂取などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積し(肥満)、インスリンの働きが悪くなるといった条件が組み合わさって発症します。

日本の糖尿病患者の約95%以上は、この2型糖尿病です。まずはカロリー制限を中心とした食事療法、運動療法による生活習慣の見直しが必要となります。食事・運動療法での効果が不十分な場合には、薬物療法(内服薬またはインスリンなど自己注射)の追加が考慮されます。

その他、遺伝子の異常や肝臓・膵臓の病気が原因となるものや、妊娠中に発見される妊娠糖尿病があります。

※インスリンとは
からだの中で唯一血糖値を下げるホルモンで、食後に血糖値が上がらないよう調節をする働きをします。また、血液中のブドウ糖をからだの細胞に送り込んで、活動エネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンに変えてエネルギーを蓄えたりします。

糖尿病の合併症

三大合併症

細小血管障害とも言われます。おもに細い血管が障害されて症状が起こります。

この合併症は糖尿病でしか起こりませんが、血圧や脂質(コレステロールや中性脂肪)のコントロールが悪いと、さらに悪化し易くなります。初期には症状がなく、そのためにも定期的な検査が必要です。

糖尿病神経障害

合併症の中で最初に出ることが多い症状です。また他の合併症と異なり、比較的初期段階から症状が自覚されます。

おもに足の指や足の裏などのしびれ・感覚の低下、足がつりやすくなる、怪我や火傷の痛みに気づかない等、手足の末梢神経が障害されることにより、様々な症状が出ます。進行、悪化してくると自律神経も障害されることにより便秘・立ちくらみ・勃起不全などが出現します。

治療方法はもちろん血糖を管理することが重要ですが、治療初期の段階で一時的に神経障害の症状が悪化することがあります。また各種神経障害の症状を緩和する薬剤を必要に応じて使用していきます。

臨床的な問題としては、痛みが感じないことから靴擦れ・低温やけどを起こし、足の潰瘍、壊疽へと進行し、下肢切断に至る可能性があります。

糖尿病網膜症

主に網膜の血管が障害され、眼底や硝子体などに出血を起こします。悪化すると失明に至ることがあり、日本の中途失明(先天的なものを除く)の原因として第2位を占めています。初期の段階では視力低下などの自覚症状がなく、症状が出たときにはかなり病状が進行してしまい、手術や光凝固などの治療が必要となることが多いため、定期的な眼科受診が重要です。

通院間隔は個々人の進行具合や血糖管理などによりますが概ね3~6か月毎となります。当院でも通院患者さんには糖尿病連携手帳をお渡しし、眼科通院の指導を行っております。

糖尿病腎症

腎臓の糸球体という部分の毛細血管が障害されることにより、腎臓の機能が低下してしまいます。日本の腎不全・人工透析になる原因の第1位がこの糖尿病腎症です。網膜症と同様に初期段階では自覚症状に乏しいことが特徴です。尿中アルブミン(蛋白の一種)の微量測定により早期発見が可能であり、3~4か月毎の測定が望ましいとされています。

近年、糖尿病腎症を含めた糖尿病の病態が関与する腎合併症を Diabetic kidney disease (DKD) と総称することが提唱されています。これは正常~微量アルブミン尿期でありながら腎機能が低下している症例をどう考えるかというのが重要です。腎機能を悪化させるのは、糖尿病だけではなく高血圧、肥満、脂質関連や慢性糸球体腎炎など様々です。

このため、糖尿病患者さんの腎機能を保ち、人工透析を回避するためには、血糖管理のみならず血圧、体重などの管理も重要と考えられます。

大血管合併症(動脈硬化)

糖尿病により、全身の動脈硬化が進行し、様々な疾患を合併します。脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症が代表疾患となります。先ほどの三大合併症とは異なり、生活の質の低下ではなく、直接生命予後に関わる疾患であることが特徴です。

これらの合併症の影響で、糖尿病患者は非糖尿病患者と比べて、男性で約8年、女性で約11年も寿命が短くなると報告されています。 これらの合併症は、治療により糖尿病をコントロールすることで予防することができます。

糖尿病の検査

採血検査で、血糖値・ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を測定します。

外来通院治療では主にHbA1c値の結果を見ながら、治療を進めていきます。当院では迅速検査機器の導入により、血糖値・HbA1c値の測定結果について当日お知らせすることが可能です。

境界型糖尿病もしくは初診の方で、1回の検査で診断に至らない場合は、経口ブドウ糖負荷試験による診断確定を行っています。

糖尿病検査は特定健診に含まれているので、医療保険者が40歳以上の人全員に対して実施することになっています。
健康診断は毎年必ず受診するようにしましょう。そして、健康診断で血糖値が高い、尿に糖が出ているなどの異常を指摘されましたら、ご相談ください。

糖尿病の治療法

糖尿病は早期発見・早期治療、そして治療の継続が何より大切です。

健診などで糖尿病を指摘された場合など糖尿病の初期治療は、お薬での治療を始める前に、まず生活習慣の見直しを行います。そして、食事療法を開始し、運動療法と組み合わせながら血糖値の改善をはかります。

糖尿病の初期状態では、食後の血糖値だけに異常がみられます(=食後高血糖)。この早い時期から食事療法と運動療法を開始し、良好な血糖コントロールを維持することにより、病気の進展を防ぎ、合併症を起こすことなく、健常な場合とほぼ同様の生活を生涯にわたり営むことが可能になります。

糖尿病は、治療を放置したり、発見が遅れたりして合併症が出現してしまうと生活の質の低下につながり、最悪で失明や心血管病の発症などをきたし命に関わることになりかねません。

糖尿病の治療方法は主に3種類です。

食事療法

糖尿病の最も効果的で重要な治療方法です。

身長から計算することが可能な理想体重、個々人の身体活動量から適切な必要カロリーを算出します。適切な分量の食事で、必要とする栄養を摂取できるように指導いたします。 特に食べてはいけない食品があるわけではありませんが、外食や間食、アルコール等は1日に摂取するエネルギー量が過剰になりやすいので、注意が必要です。

体重増加は、内臓脂肪の増加につながります。インスリンの効きが悪くなり、血糖コントロールを悪化させる最大の要因です。 必ず医師、栄養士の指導の下、バランスの良い食生活を送りましょう。

運動療法

食事療法と同様、糖尿病の基本となる治療方法です。

運動によって血糖値の低下、およびインスリンの効き(抵抗性)の改善を行います。運動の種類には、有酸素運動(歩行やジョギング、水泳など)とレジスタンス運動(筋力トレーニング)の2つがあります。一般的には、有酸素運動を行うことが多いのですが、レジスタンス運動も共に行うことで筋肉量が増し、インスリン抵抗性の改善に役立ちます。

概ね1日8000~10000歩程度の歩行、週2~3回のスクワットまたは立ち上がり運動を推奨しております。
但し、合併症がある場合など、運動が制限されることもありますので、運動の種類や時間・回数等、必ず医師の指導の下、適切な運動を心がけましょう。

薬物療法

糖尿病の薬物療法には、内服薬(経口血糖降下薬)と注射薬(インスリンまたはGLP-1製剤注射)があります。

1型糖尿病ではインスリン注射が必須となります。2型糖尿病では、専門医により適切なタイミングで薬物療法の導入を行います。

インスリンなどの注射薬については、以前は内服薬が効かない場合の最後の手段とされていましたが、現在はより積極的な導入が望ましいとされています。これは不足している、もしくはうまく作用していない自己の膵臓から分泌されているインスリンを補い、膵臓を休める役割もあるためです。現在は内服薬の進歩が目覚ましく、併用することにより以前の1日4回注射法ではなく、1日1回の注射療法が主流となってきています。

個々人のライフスタイル、ご希望などを考慮し、最適な治療を提案させていただきます。